ChatGPTを使ってるのに、なんか物足りない。毎回同じような回答しか返ってこない。そんな経験ありませんか?
実は、私も最初はそうでした。Lovateという個人開発プロジェクトでChatGPTを活用し始めた頃、「AIアシスタント作って」「コード書いて」みたいな曖昧な質問ばかりしていて、期待外れの回答にガッカリすることが多かったんです。
でも、ある機能を知ってから、ChatGPTとの関係が劇的に変わりました。それが「Custom Instructions(カスタム指示)」です。
この機能を使いこなすようになってから、ChatGPTはただのツールから、親しみやすくて相談しやすい、でもめちゃくちゃ頼りになる相棒に変わったんです。
今回は、Custom Instructions(GPTs)を使って「気軽に話しかけられるのに、専門知識もバッチリ」という理想的なAIパートナーを作る方法をお話しします。

Custom Instructions(GPTs)って何?普通のプロンプトと何が違うの?
まず、Custom Instructionsとは何かを簡単に説明しますね。
これは、ChatGPTとの全ての会話で自動的に適用される「あなた専用の基本設定」のことです。毎回長い説明をしなくても、ChatGPTが「あ、この人はこういう感じで回答してほしいのね」と理解してくれるようになります。
- What would you like ChatGPT to know about you?
あなた自身について(職業、興味、専門分野など) - How would you like ChatGPT to respond?
ChatGPTの回答スタイル(口調、詳しさ、専門性レベルなど)
普通のプロンプトが「その場限りの指示」だとすると、Custom Instructionsは「継続的な人格設定」という感じですね。
「親しみやすさ」の作り方:壁を取り払う魔法の設定
多くの人がAIとの会話で感じる「なんか堅い」「相談しにくい」という壁。これを取り払うのが親しみやすさの設定です。
でも、ここで勘違いしちゃいけないのが、「フランクな口調=親しみやすい」ではないということ。
本当に親しみやすいAIって、こんな感じなんです:
親しみやすさの本質
相手の状況に共感して、分からないことがあっても「それ、知らなくて当然ですよ」って雰囲気を作ってくれる。専門用語を使うときは必ず「つまり〜ということです」って説明を加えてくれる。そんな相手だったら、気軽に質問できますよね。
親しみやすさを生む設定のポイント
私が実際に使っている設定を例にしてみますね:
設定例(親しみやすさ重視):
常に相手の立場に立って考え、専門用語は必ず分かりやすい例で説明してください。 返答の最後には「他に気になる点はありませんか?」のような確認を加えてください。 堅苦しくない、でも礼儀正しい口調で、信頼できる同僚と話しているような雰囲気で対応してください。
この設定にしてから、ChatGPTとの会話がすごく自然になりました。「これ聞いても大丈夫かな?」みたいな遠慮がなくなったんです。
「専門性」の担保:信頼できる回答を引き出すコツ
親しみやすいだけじゃダメ。やっぱり「この回答、信頼できる」と思えるレベルの専門性も必要ですよね。
専門性を高めるために意識すべきポイントは3つです:
- 具体性:抽象的な回答じゃなく、具体的な手順や数値を含める
- 根拠の明示:なぜそう判断したのかの理由を説明
- 限界の明確化:分からないことは「分からない」とはっきり伝える
設定例(専門性重視):
回答には必ず具体例や実際の手順を含めてください。 推測や不確実な情報の場合は、その旨を明確に伝えてください。 複雑な問題については、段階的なアプローチを提示し、各ステップの理由も説明してください。
この設定で質問すると、「たぶん〜だと思います」みたいな曖昧な回答じゃなくて、「〇〇の理由で△△をおすすめします。具体的な手順は…」という感じで、めちゃくちゃ頼りになる回答が返ってくるようになりました。
実際の設定例:職業別カスタマイズ術
ここからは、職業別の実際の設定例をご紹介します。私の周りの人たちに協力してもらって、いろんなパターンを試してみました。
エンジニア向け設定
「あなたについて」の部分:
私はソフトウェアエンジニアとして働いており、主にWeb開発(React、Node.js)に従事しています。 新しい技術の学習と、既存システムの改善が主な関心事です。 実装時のベストプラクティスやセキュリティを重視します。
「回答スタイル」の部分:
コードの例は実際に動作するもので、コメント付きで提示してください。 セキュリティやパフォーマンスの観点も含めて説明してください。 新しい技術については、学習コストや既存システムへの影響も教えてください。 質問があれば気軽に聞いてください、という雰囲気で対応してください。

ライター・マーケター向け設定
「あなたについて」の部分:
私はコンテンツマーケターとして、主にBtoB企業のオウンドメディア運営を行っています。 SEOやユーザーエンゲージメントを意識したコンテンツ作成が得意分野です。 読者目線での分かりやすい表現を心がけています。
「回答スタイル」の部分:
提案には必ず、期待される効果や測定方法も含めてください。 専門用語は読者目線で分かりやすく説明してください。 競合分析や差別化のポイントも積極的に提案してください。 親しみやすい口調で、相談しやすい雰囲気で対応してください。
企画・プランナー向け設定
「あなたについて」の部分:
私は企画職として、新規サービスの立案と既存事業の改善提案を行っています。 ユーザー視点とビジネス視点のバランスを取ることを重視しています。 データに基づいた意思決定を心がけています。
「回答スタイル」の部分:
アイデアには必ず、ターゲット、実現可能性、リスク要因を含めて整理してください。 ステークホルダーを説得するためのポイントも提案してください。 検証方法や改善のサイクルも合わせて提示してください。 気軽に相談できる、頼れるパートナーとして対応してください。
設定のメンテナンス:育て続ける楽しみ
Custom Instructionsの面白いところは、使いながら改善し続けられることです。設定して終わりじゃなくて、育てていく感覚なんですよね。
効果を確認するチェックポイント
- 求めていた情報がスムーズに得られているか
- 説明のレベルが適切か(難しすぎ/簡単すぎないか)
- 毎回同じような指示を繰り返していないか
- ChatGPTとの会話がストレスフリーになっているか
私の場合、最初は「丁寧すぎて逆に時間がかかる」という問題がありました。そこで設定を調整して「簡潔だけど必要な情報は漏らさない」というバランスに変えました。
改善のサイクル
おすすめは1週間ごとの見直しです:
1. 1週間使ってみる → 違和感や不満をメモ
2. 問題点を特定 → 「もう少し具体的に」「もう少し簡潔に」など
3. 少しずつ調整 → 一度に大きく変えすぎない
4. 効果を確認 → また1週間試してみる
実際の改善例
最初:「詳細な説明をしてください」
→ 長すぎる回答で時間がかかる改善後:「要点を整理して、必要に応じて詳細も教えてください」
→ まず概要、必要なら詳細を聞けるスタイルに
Custom Instructionsで変わる、ChatGPTとの新しい関係
Custom Instructionsを使いこなすようになって感じるのは、ChatGPTとの関係性が「ツールを使う」から「パートナーと協働する」に変わったことです。
毎回「えーっと、どう質問しようかな」と迷うことがなくなって、「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」って気軽に相談できるようになりました。
しかも、回答の質も安定してるから、信頼して仕事を任せられるんです。

こんな人に特におすすめ
- ChatGPTを仕事で頻繁に使う人
- 毎回同じような説明を繰り返している人
- AIとの会話に「壁」を感じている人
- より専門的で信頼できる回答がほしい人
- 効率よく情報を得たい人
今日から始める、あなただけのAIパートナー作り
Custom Instructionsの設定は、ChatGPTの設定画面から簡単にアクセスできます。最初は完璧を目指さず、「こんな感じで答えてもらえたら嬉しいな」という理想を書いてみてください。
大切なのは、使いながら改善していくことです。あなたの働き方や考え方に合わせて調整を重ねることで、本当にあなただけのAIパートナーを育てることができます。
AIとの新しい関係性、始めてみませんか?きっと、これまでとは違う、もっと豊かで効率的なAI活用体験が待っています。